CX-80▲SUVを中心に高級車にも多く採用されているクリーンディーゼル車。いったどんな車? 写真はマツダ CX-80(初代)

「クリーンディーゼル車って、どんな車のこと?」「なんとなくはわかるけれど、正確にはわからない」という人のため、この記事ではクリーンディーゼル車について説明します。

その特徴やメリット&デメリット、クリーンディーゼル車がどんな人に向いているのかを解説。オススメのクリーンディーゼル車を紹介します。
 

サクッとまとめ

【特徴】厳しい排ガス規制をクリアし、どこでも安心して乗れるようになったのがクリーンディーゼル車
【メリット】加速がパワフルでエンジン音も静か。耐久性も高い
【向いている人】家族や遊びのギアを載せてストレスなく走りたい人に最適
 

 

クリーンディーゼル車とは? 特徴や従来のディーゼル車との違い

クリーンディーゼル車とは、簡単にいうと、以前のディーゼル車と比べて排気ガスがきれいなディーゼルエンジンを搭載した車のことです。

従来のディーゼル車は大気汚染や健康被害の原因となる排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)が多く、国や地域の排出ガス規制が次第に強化されていきました。2009年に「ポスト新長期規制」が導入され、ガソリン車と同レベルの規制内容になりました。
 

ランドクルーザー60▲自動車NOx・PM法などの排気ガス規制に適合していない、昔のディーゼル車は規制地域内で登録できない。例えば、トヨタ ランドクルーザー60のディーゼルもそのひとつ

これによってディーゼル車は激減しましたが、厳しい基準を技術の進化によってクリアするクリーンディーゼル車が登場。経済的で力強いといったディーゼル車がもつ特性を引き継ぎながらガソリン車並みの環境性能も備えています。
 

田端邦彦

著者・田端邦彦現在、新車で販売されている乗用車のディーゼル車はすべてクリーンディーゼル車です。一部の規制区域内では環境性能の低いディーゼル車の走行を条例で禁止していますが、クリーンディーゼル車なら日本中どこでも乗ることができます。

クリーンディーゼル車の特徴をガソリン車/ハイブリッド車と比較

エンジンを搭載している車には、クリーンディーゼル車の他にもガソリン車やハイブリッド車があります。はじめに、それぞれの特徴を一覧で見てみましょう。
 

項目 クリーンディーゼル車 ガソリン車 ハイブリッド車
燃料代の安さ
耐久性の高さ
車両価格の安さ
メンテナンスの手間
加速のパワフルさ
選択肢の多さ
項目 クリーンディーゼル車 ガソリン車 ハイブリッド車
燃料代の安さ
耐久性の高さ
車両価格の安さ
メンテナンスの手間
加速のパワフルさ
選択肢の多さ

実際には車種によって異なりますが、相対的にはクリーンディーゼル車は維持費が安く、かつ低速走行に優れている傾向にあります。

そういえる理由について以下、解説していきます。
 

田端邦彦

田端邦彦国産ハイブリッド車ではガソリンエンジン+モーターが一般的ですが、欧州のハイブリッド車やトラックの中にはディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたモデルも存在します。

▼検索条件

ディーゼル車 × 2011年以降
※クリーンディーゼル対応ではない車種も含まれる可能性があります
 

クリーンディーゼル車の主なメリット

クリーンディーゼル車には多くのメリットがあります。その主なメリットは次の4つです。
 

  • 燃料代を抑えやすい
  • エンジンが頑丈で耐久性が高い
  • 加速がパワフルかつスムーズ
  • 従来のディーゼル車よりエンジン音が控えめ

燃料代を抑えやすい

ディーゼルエンジンはもともと燃焼効率に優れているため、一般的なガソリンエンジンに比べて燃費も良好。クリーンディーゼルでは、さらに燃費性能が進化しています。

そのうえ、燃料も軽油なので経済的。原稿執筆時点での燃料代の単価をもとに、1万km走行した場合の燃料コストをガソリン車とクリーンディーゼル車で比較しました。燃費は、どちらも15km/Lを仮定して試算しています。
 

項目 軽油 ガソリン 差額
単価 159.3円/L 169.9円/L -10.6円/L
燃料代 10万6200円 11万3267円 -7067円
項目 軽油 ガソリン 差額
単価 159.3円/L 169.9円/L -10.6円/L
燃料代 10万6200円 11万3267円 -7067円
 

燃費はモデルごとに異なるので単純比較はできませんが、同条件で比べたなら、クリーンディーゼル車の燃料代はガソリン車より7000円以上安く済みます

車に乗る頻度が多い人にとっては見逃せないメリット。燃料代が浮いた分、お出かけの回数を増やすことができるかもしれません。
 

エンジンが頑丈で耐久性が高い

ディーゼルエンジンは、一般的にガソリンエンジンより頑丈に作られています。ディーゼルは燃焼行程での圧縮比が高く、その強い爆発力や振動に耐えなければいけないからです。

その頑丈さは耐久性の高さにつながり、長く使えるという個性に。荷物を載せて長距離を走るトラックなどにディーゼルが多いのは、燃費性能だけでなく耐久性の高さも理由のひとつです。
 

2.8L直噴ディーゼルエンジン▲ディーゼルエンジンは内部を高温・高圧にして軽油を自己着火させる。写真はトヨタ ランドクルーザー250(初代)などに搭載される2.8Lのディーゼルエンジン

加速がパワフルかつスムーズ

ディーゼル車はもともとパワフルで、ガソリン車より重い荷物を積んでの走行や上り坂での走行が得意でした。クリーンディーゼル車もその点は同様です。

最近の車種は苦手だった加速の“伸び”も改善。ガソリン車に近づいており、クリーンディーゼルを搭載したスポーティな車種も登場しています。フル乗車しての走行、高速道路での合流といった場面でも力不足を感じることなく、あらゆるシーンで気持ち良く走れるでしょう。

一方で、上り坂や悪路での走行はゆっくり、かつ力強く走ることも可能。そのため、クリーンディーゼル車の多くはSUVとなっています。
 

CX-3▲車を前に押し出す力(=トルク)が低回転域から大きく、扱いやすいのがディーゼルエンジンの特長。運転に慣れていない人にこそオススメ。画像はマツダ CX-3(初代)

従来のディーゼル車よりエンジン音が控えめ

従来のディーゼル車と比べたクリーンディーゼル車の特徴として、室内の静かさも見逃せません。かつてのディーゼル車にはガラガラという特有のエンジン音がありましたが、遮音材やエンジンの振動音を抑える技術の進化によって大幅に軽減。

エンジン音は格段に静かになり、走行中に気になる場面は限りなく少なくなりました。
 

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ディーゼル車 × 2011年以降
※クリーンディーゼル対応ではない車種も含まれる可能性があります
 

クリーンディーゼル車の主なデメリット

メリットの多いクリーンディーゼル車ですが、理解しておくべきポイントも。以下のデメリットについて解説します。
 

  • 車両価格が高くなりやすい
  • メンテナンスの手間がかかる
  • ガソリン車より選択肢が少ない

車両価格が高くなりやすい

クリーンディーゼル車はガソリン車に比べ、車両価格が高くなりがちです。同車種・同グレードでクリーンディーゼル車とガソリン車をラインナップするモデルの新車時の車両価格で比べてみました。
 

車名 グレード 車両本体価格
クリーンディーゼル車 ガソリン車 差額
マツダ CX-5(2代目) スポーツアピアランス 385万円 358万2000円 26万8000円
トヨタ ランドクルーザー250(初代) VX 630万円 545万円 85万円
BMW X3(4代目) xドライブ 787万円 767万円 20万円
車名 グレード 車両本体価格
クリーンディーゼル車 ガソリン車 差額
マツダ CX-5(2代目) スポーツアピアランス 385万円 358万2000円 26万8000円
トヨタ ランドクルーザー250(初代) VX 630万円 545万円 85万円
BMW X3(4代目) xドライブ 787万円 767万円 20万円
※新車時車両価格はCX-5(2代目)が2025年12月~2026年4月生産モデル、ランドクルーザー250(初代)が2024年4月~2026年3月生産モデル、X3(4代目)が2026年4月生産以降モデルのもの
 

ディーゼルエンジンは構造が複雑なため、それが新車価格にも反映されていると考えられます。

ただ、クリーンディーゼル車は燃料代が安く、長く乗れます。車選びの際は年間走行距離や、どれくらい乗り続けるのかを踏まえて総合的に判断しましょう。
 

クリーンディーゼル車▲左からCX-5(2代目)、ランドクルーザー250(初代)、X3(4代目)。クリーンディーゼル車はハイパワーなので、上位グレードに設定されるケースも

メンテナンスの手間がかかる

クリーンディーゼル車の多くは、排気ガスを浄化するために「DPF(ディーゼル微粒子フィルター)」や「尿素SCR」という装置を採用しています。

「DPF」はクリーニングが必要となるケースがあり、「尿素SCR」は定期的な尿素水(アドブルー)の補充といったメンテナンスが不可欠。ガソリン車では発生しないコストと手間がかかります。

ただ、コストについては燃料代の安さを考えるとデメリットにはならない程度。手間についても定期点検などのタイミングでお手入れすれば問題ありません。
 

冬の寒冷地では軽油が凍結する恐れも

手間というほどではありませんが、軽油は気温が極端に低いと凍結することがある点にも留意が必要です。凍結すると燃料フィルター詰まりやエンジン始動不良といったトラブルのもとに。

そのため、寒冷地のガソリンスタンドで販売される軽油は凍結しにくい仕様となっています。寒冷地に出かけるときは、到着前にできるだけ燃料タンクの残量が少なくなるよう調整し、現地で給油することを意識しましょう。
 

寒冷地▲寒冷地で軽油が凍る、といっても走っているときは通常、問題なし。スキー場の駐車場などに長時間止める場合は注意しよう。画像はトヨタ ランドクルーザー70(初代)

ガソリン車より選択肢が少ない

クリーンディーゼル車が国内で本格的に普及し始めたのは2010年代前半。現在でも国産車では数が少なく、輸入車も電動化シフトの影響によって減少傾向にあります。

幅広い車種で選べるガソリン車や、年々ラインナップが充実するハイブリッド車と比べると、選択肢が限定的なのが実情です。
 

 

クリーンディーゼル車が向いている人

クリーンディーゼル車が向いているのは、どのような人でしょうか? ポイントをまとめました。
 

  • 家族全員を乗せて快適に遠出を楽しみたい人
  • 仕事などで重い荷物を載せる機会が多い人
  • アウトドアレジャーで山道などを走ることが多い人
  • 買い替え費用を抑えるため、1台に長く乗りたい人
  • 走行距離が多いから、維持費を節約したい人

場面を問わない力強さや高い経済性といった特有のメリットを享受できるのがクリーンディーゼル車の魅力。特に、人や荷物をたっぷり乗せて遠くまで出かけたいといった人にはピッタリです。
 

cx80の荷室▲燃費が良く、航続距離が長めだから遠出しやすいのはうれしいところ。画像はマツダ CX-80(初代)の荷室

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ディーゼル車 × 2011年以降
※クリーンディーゼル対応ではない車種も含まれる可能性があります
 

クリーンディーゼル車の人気メーカー&オススメ車種3選

クリーンディーゼル車をラインナップするメーカーは国産車にも輸入車にもたくさんあります。
 

クリーンディーゼル車の人気メーカー

  • マツダ
  • トヨタ
  • 日産
  • メルセデス・ベンツ
  • BMW
  • ミニ
  • ランドローバー

特にマツダはクリーンディーゼル車に積極的なメーカーのひとつ。独自の低騒音&低振動化技術に定評があり、コンパクトカーからクロスオーバーSUVまで幅広くラインナップしています。

トヨタのクリーンディーゼル車も人気で、ランドクルーザー・シリーズなどのSUVを中心に用意。欧州車では世界初のディーゼル乗用車を生み出したメルセデス・ベンツが代表格といえるでしょう。
 

オススメ車種①:マツダ CX-3(初代)

CX-3▲CX-3は2015年2月にデビューしたロングセラーモデル

CX-3(初代)はSUVを数多く揃えるマツダ車の中でも最もコンパクトなモデル。スタイリッシュなデザインと、マツダ車らしいキビキビしたハンドリングが魅力です。

国産メーカーのクリーンディーゼル車は大型・重量級のSUVが多い中、CX-3は稀有な存在。軽量なボディのおかげで、街中でもディーゼルの力強さを十分に体感できます。勾配の多い道でもストレスなく、運転を楽しめるでしょう。
 

CX-3 内装▲コンパクトな車体サイズを感じさせない開放感ある車内空間

初代CX-3の中古車流通台数は1100台前後で、そのうち約640台がディーゼル車。生産期間が長く、流通台数も多めのため、予算に合わせたコンディションの物件を選べます。

ディーゼル車の価格帯は支払総額で50万~300万円。走行距離3万km以下の物件なら、総額120万円前後から見つけやすくなります。
 

▼検索条件

マツダ CX-3(初代) × ディーゼル車

オススメ車種②:トヨタ ランドクルーザー250(初代)

ランドクルーザー250▲2024年4月にランドクルーザー・シリーズの一員となった250。プラットフォームはランドクルーザー300(初代)と共通の頑丈なもの

ランドクルーザー本来の悪路走破性や耐久性の高さを維持しながら、3列シートでファミリーカーとしてのニーズも満たしてくれるモデルがランドクルーザー250(初代)です。

たまにでもオフロードに出かける人なら、ディーゼルを選んで決して損はないでしょう。搭載される2.8Lディーゼルターボエンジンは実に力強く、乗り心地も快適。もちろん、日常走行においてもストレスを感じさせません。
 

ランドクルーザー250 内装▲水平基調のインテリアは見切りが良く、車両感覚を把握しやすい

2026年4月のマイナーチェンジによりディーゼルエンジンが一時的にラインナップから消滅しましたが、中古車なら選択可能(2026年12月以降の再投入予定)。760台程度が流通しているランドクルーザー250のうち、約200台がディーゼル車です。

ディーゼル車の価格帯は支払総額で630万~1110万円。走行距離が少なく、新車に近いコンディションの物件も散見されます
 

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザー250(初代) × ディーゼル車

オススメ車種③:メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目)

Gクラス▲2代目Gクラスは2018年6月のデビュー。2024年6月までのモデルでは2.9Lクリーンディーゼルがラインナップされていた

ベンツの四駆といえばGクラスを思い浮かべる人が多いはず。2代目は頑強な「ラダーフレーム」(はしご型の車台)など本格四駆の構造を維持しながら、現代のSUVにふさわしい快適さとオンロード性能を兼ね備えています。

特に2024年7月の改良で採用された3Lディーゼルターボは高性能。刺激的な加速感は、現代最高水準のクリーンディーゼルといえるほどです。もちろん乗り心地も上質で、高級SUVならではの世界観を堪能できます。
 

Gクラス 内装▲初代に比べて格段に洗練されたインテリアだが、悪路走破性を高める「デフロック」のスイッチは健在

中古車流通台数は590台と、高価格帯の輸入SUVの中では多め。そのうち約430台がディーゼル車です。

ディーゼル車の価格帯は総額で約670万~2420万円。総額900万円前後から走行距離3万km以下の物件を狙いやすくなっています。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目) × ディーゼル車

▼検索条件

ディーゼル車 × 2011年以降
※クリーンディーゼル対応ではない車種も含まれる可能性があります
文/田端邦彦(ACT3) 写真/マツダ、トヨタ、メルセデス・ベンツ
※記事内の情報は2026年7月15日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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