愛車の三菱 パジェロミニとともに、“クルマちゃん”を目指す新米モータージャーナリスト
2024/10/17

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
説得力を持って、車の楽しさを伝えていきたい
超一流レーシングドライバーであり、自動車評論家でもある中谷明彦さんに直談判して弟子にしてもらった。師からドライビングの真髄を学びつつ、自動車メディアの編集部で都合3年間働いた。
そして、今年からはフリーランスのモータージャーナリストとなり、自ら購入した中古のレーシングカートで腕を磨きながら、そして中古の三菱 パジェロ ミニに乗りながら、様々な媒体で車に関する記事を書き始めている――という瀬(はやせ)イオナさんのプロフィールを聞いたときに人が思うことは、おおむね下記の2択になるのではないだろうか。
1. 瀬イオナさんという人は「レーシングドライバー」になろうとしている。
2. レーシングドライバーになろうとは思っていないのかもしれないが、少なくともドラテクをひとつの武器にして、自動車メディア業界内でのし上がろうとしている。
だが残念ながら、どちらも不正解だ。

正解は「瀬イオナさんという人は、さかなクンならぬ“クルマちゃん”になろうとしている。だから今、中谷明彦さんからドライビングを学んだり、駆け出しジャーナリストとして文章修業をしたりしている」ということになる。
もちろん世の中に「クルマちゃん」という職種または肩書があるわけではない。イオナさんがなろうとしている「クルマちゃん」とは、さかなクンのような「比較的ニッチなものの魅力を、ディープな知識と経験をもとに、しかしひたすらわかりやすく楽しい形で、それを知らない人々に伝え続ける」という行動をする人の、車版だ。
「おばあちゃんになるまでには“クルマちゃん”になりたいと思って今、様々なことを学んでいるんです」と、イオナさんは言う。

当然ながら、少女時代から「クルマちゃんになりたい!」と考えていたわけではない。だが車という乗り物の魅力に取り憑かれたのは、まだ少女の頃だった。
「父がMT車ばかり乗っていたんです。といってもスポーツカーとかではなく、いわゆる軽バンなんですが。でもなぜか父は毎回MTの軽バンを買っていて。そんな軽バンのトランスミッションをガコガコと変速させて、非力なエンジンをぶん回しながら山を越えて、隣町のショッピングモールへ行ったりするみたいな、ドライブとも言えないような“ドライブ”が、本当に楽しかったんです」
そして大人になり、途中で「ピアノプレーヤーになるか、それともフォトグラファーになるか?」と考えて回り道もしたが、結局は「クルマちゃん」を目指すことになった。
「車って、こんなにもたくさんの数が世の中に存在していますし、特に地方では完全に必需品です。そんな車にただ乗るのではなく、少しでも興味を持ってほしいんですね。その車の背景であるとか、その車はなぜ、そのようなデザインになっているのか――とか。全員がマニアになる必要はありませんが、少しでも背景を知っていれば、その車と過ごす時間がより楽しいものになるじゃないですか?」
だから、それを人々に伝える「モータージャーナリスト」という職種を選んだ。

だがその分野のことを知らない人、あるいは興味がない人に物事を伝えるためには“説得力”が必要になる。車の魅力とは、どこかのよく知らない女性が「クルマ女子で~す! ところでクルマって最高ですよね!」と、ただ笑顔で言えば伝わるものでもない。
だからこそ中谷明彦さんから安全かつ超理論的なドライビング術を学び、そしてレーシングカート操縦技術のブラッシュアップにも励んでいる。
しかし一方で、車の魅力というのはサーキットのコース上でのみ炸裂するものではない。というか、むしろ多くの人にとって車の本籍地はサーキット以外にある。それゆえ普通の車を普通に愛し、普通にしっかり使いきる経験によってしか生まれ得ない“説得力”もある。
だからイオナさんは今から約3年前、初めての愛車として“ぱじぇろう”こと三菱 パジェロ ミニの中古車を、フリマサイトを通じて格安価格で購入した。



「ちょっと言えないぐらいの格安価格でしたが(笑)、ユーザー車検を通したうえでディーラーでビシッと整備してもらい、今は本当に快調です。取材やプライベートでの移動もほとんどすべて“ぱじぇろう”で行ってますし、せっかく『カワイイ見た目に反して加速も悪路走破性能もバツグン』という車を買ったのだからということで、それまではやっていなかったスキーも始めました。雪道を走ることでドライビングの経験値が上がりますし、それより何より単純に楽しいですし(笑)」
イオナさん自身は、前述したとおり「おばあちゃんになるまでには、さかなクンさんみたいに説得力がある“クルマちゃん”になりたい。車というものの全般的な素敵さを、それを知らない人にもわかりやすく伝えられる存在になりたい」と言っている。
だが――彼女の硬軟織り交ぜた自動車経験の積みっぷりを見ていると、その目標は、予定よりずっと早く達成されてしまうような気もしてならない。

▼検索条件
三菱 パジェロミニ(初代)×全国
瀬イオナさんのマイカーレビュー
三菱 パジェロミニ(初代)
●購入価格/フリマサイトにて格安で……
●年間走行距離/10,000kmくらい
●マイカーの好きなところ/見た目と走りのギャップ! 小さくてかわいいのに走りが力強い
●マイカーの愛すべきダメなところ/大人数では乗れない。4人乗りだけど後部座席は狭い……
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/やっぱりアクティブに動きたい人にオススメです!

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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